天文学会 秋の分科会(宇都宮大1997)
パルサー星雲、超新星残骸などからの1000 GeV
超高エネルギーガンマ線の検出
東大宇宙線研、他
森 正樹、他CANGAROOグループ
天文台堂平観測所にあった 3.8 m 口径望遠鏡を1991年に
オーストラリアに移設し、空気チェレンコフ光を検出する方法による
1000 GeV ガンマ線用望遠鏡に改変し1992年以来観測を継続している
(日本とオーストラリアのカンガルー共同研究)。
これまでの観測から、
かに星雲及びコンプトンガンマ線衛星で検出されたガンマ線パルサー
PSR B1706-44 や帆座パルサーの方向からの
1000 GeV の超高エネルギーガンマ線を検出している。
パルサー周期で変動しない信号が観測されているので、
ガンマ線はパルサー星雲から放出されているらしい。
星雲中の高エネルギー電子が逆コンプトン効果で 2.7K 背景放射の電磁波など
を叩き上げてガンマ線を放射していると解釈される。
超高エネルギーガンマ線の検出は高エネルギー電子の存在を明らかにし、
特に電子加速の上限エネルギーを従来に比べ直接的な情報を与える。
また、星雲中の電子は同時に X 線領域に
シンクロトロン放射をするので、ガンマ線と X 線強度の比較から
星雲中の磁場強度の推定が可能となった。
超新星残骸 SN1006 などさらに検出の証拠が加わりつつある。
天体の非熱的高エネルギー現象の理解が、
超高エネルギーガンマ線の観測によって急速に進展しようとしている。
カンガルー共同研究の今までの成果を紹介するとともに、
パルサー星雲や超新星残骸など銀河系内天体からの超高エネルギーガンマ線の
放出とその検出の意義について報告する。